2008年から建築設備CAD「Rebro(レブロ)」に特化し、設備BIMモデル構築・施工図作成の実務支援を提供。多様なプロジェクトに対応し、スキルアップ研修や企業向けカスタマイズ講習で作図効率とBIM活用力を高めます。操作だけでなく“現場で使えるBIM”を重視し、導入相談からデータ構築まで一貫サポート。NYKシステムズ認定正規販売代理店/サポートリンク登録。

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  1. 技術を深める。自分を育てる。―設備×CAD×BIM×女性目線のコラムー
  2. CADオペレーター
  3. 施工現場でCADオペレーターが「補助」から抜け出すきっかけつくり

施工現場でCADオペレーターが「補助」から抜け出すきっかけつくり

— コラム後編:「補助」から抜け出すきっかけをどう作るか —

前編では、施工現場の構造そのものがCADオペレーターを“補助”に固定する仕組みになっているという話をしました。

 

では、そんな構造の中で、

「補助のまま終わりたくない」

「施工図を描けるようになりたい」

と願う人は、どうやって一歩を踏み出せばいいのでしょうか。

 

ここからは、空調衛生の大型現場(複合施設・ホテルなど)で働く非正規CADオペレーターの方に向けて、現実的で、かつあなたの未来を守るための“きっかけの作り方”をお話しします


 覚悟すべき「契約と役割」の壁


まず、厳しい現実をお伝えしなければなりません。 あなたがどれほど施工図を書ける能力を身につけたとしても、契約が「補助業務」である限り、施工図を任されることはほぼありません。 また、仮に任されたとしても、それに伴って賃金が上がることは稀だと思った方が良いでしょう。

 

さらに、補助業務は現場の初期(プロットやデータ整理等)と竣工間際(検査資料・竣工図等)に業務が集中します。ここで安易に施工図まで引き受けてしまうと、業務のバランスが崩れ、パンクしてしまいます。 特に派遣や協力会社に所属している場合、仕事量の調整は自分ではコントロールできません。「現場の役に立ちたい」という善意が、理解されない残業代や過重労働に繋がるリスクがあるのです。

 

アドバイス

自分のキャパシティを管理できないうちは、むやみに施工図を引き受けない勇気も必要です。



■ 「データ整理」の中に隠された、あなたの評価


例えば、平面詳細図のデータ整理で「部屋名以外の文字は削除して」と指示されたとき、あなたはどうしていますか?

 

言われた通りに削除するだけなら、それは「作業」です。実は、施工図担当者はあなたの整理したデータを見て、「この人は施工図がわかっているかどうか」を一瞬で判断しています。

 

 


作業者

指示通り文字や寸法をすべて消しました。


施工図に必要な防火区画の情報、細いフォントへの変更、見落としやすい建築部材を「これは消してはいけないはずだ」と指示をうのみにせず、自分の目で確認してから【表示データ】と【非表示データ】と整理しました。

施工図担当者・技術者予備軍

知っているけど、わかっているけど、

何度も更新される図面に、もう心が折れているかもしれません。『どうせまた変わるんだから、適当に消せばいい』。そう思いたくなる気持ちもわかります。でも、少しだけ想像してみてください。あなたが投げ出したその1本の線、その不親切な図面で、現場の職人が手を止め、迷い、溜息をつく姿を。 図面は、誰かを動かすための『指示書』です。 

 

『スピード重視だから』と立て込むと焦る気持ちわかります。だけど、 雑な仕事は、あなた自身の価値を下げてしまいます。
その焦り、「自分の作業をコントロールできていない」からきていませんか?

“急いだ”のではなく、CADの機能を十分に使えていないのかもしれません。

CADは、正しく使えば使うほど、


  • 不要な操作が減る
  • 図面の精度が上がる
  • 作業時間が自然と短くなる

つまり、スピードと品質を同時に上げる道具です

逆に、CADを使いこなせていない状態で急ごうとすると、雑さが増え、修正が増え、さらに時間がかかる。

CADを使いこなすことは、単なる技術習得ではなく、自分の作業にかかる“絶対的に必要な時間”を把握するためのトレーニングでもあります。

これが分かると、

  • 無理な納期に振り回されなくなる
  • 自分のペースを調整できる
  • 焦りが減り、仕事が安定する

つまり、自分の働き方を自分でコントロールできるようになる。

そしてその技術は、あなた自身を守り、あなたの働き方を楽にしてくれる。

 

Rebroポイント

非表示にするレイヤーを【非表示】というレイヤーグループに整理することができます。

外部参照にした場合、非表示にしていても、表示されると懸念される人もいますが、外部参照で非表示にする対策もあります。

 

■ 現場で「こっそり」牙を研ぐ方法

 

平面詳細図のデータ整理だけでなく、プロット図や展開図、そして提案図のA案・B案の比較など、

日々の図面作業の中には「学びの種」がたくさん隠れています。

 

たとえば、A案とB案を提出したとき、 

  • どちらが採択されたのか?
  • なぜその案が選ばれたのか?
  • 何を優先して判断されたのか? 

こうした“判断の背景”に目を向けるだけで、提案のパターンや優先順位、落としどころが少しずつ自分の中に蓄積されていきます。

 

そして、施工現場が重視する「品質・工期・利益・安全」に関わる疑問や質問を、タイミングよく投げかけられるようになると、周囲のあなたを見る目が少しずつ変わり始めます。

 

「この人はただの補助ではない」

「現場の視点を理解しようとしている」

 

そんな空気が生まれます。現場は業務過多になっているので、戦力と思ったら理解してくれる人や応援してくれる人が現れてきます。

チャンスは「ちょっとしたタイミング」で訪れます。

私の実体験をお話し

かつて私も、施工図を書けるスキルは持っていながら、現場の契約上は「CADオペレーター(補助)」として入ったことがありました。
現場が佳境の時に、ファンの追加があり、入社1年目の若手社員が、無茶な位置にファンの追加を指示してきました。
私は「ここだと厳しいですが、こちらなら綺麗に納まりますし、点検口も使いやすい位置に配置できますよ」とこれまでの経験からそっと逆提案をしてみました。
でも、彼にとっては、年上のCADオペレーターから意見を言われるのが少し面白くなかったのかもしれません。
「大丈夫ですから、指示通りに作図してください」とはねつけられてしまいました。 現場に入れば、納まらなかったら、私が提案したことが頭をよぎるはず!と思い、私は深追いせず、
「わかりました。関連するプロット図や点検口の修正も私が行いますか?」とだけ確認し、図面の関連性を理解していることを示しました。「あっ点検口のことも考えなきゃダメだ」って口に出しませんでしたが、プロットのファイルを開いていたので、頭に入れて現場に出たのでしょう。
結局、その後現場では「やっぱりあの位置じゃ納まらなかった」ということになり、私に改めて修正の依頼が来ました。この修正の際に、系統図の修正資料も同時に作成しておきました。
こうした「ちょっとしたタイミング」で、相手のプライドを傷つけずに「あ、この人は図面の意図を分かっているな」と思ってもらうこと。その小さな積み重ねが、少しずつ周囲の目を変え、あなたを「ただの補助」から「信頼できる戦力」へと変えていくきっかけになります。10年後再開した、新人だった彼は立派な設計担当者として複数の物件を担当されていました。

 

■ 「評価」を求める場所を間違えない

 

ただし、ここでも注意が必要です。 技術を認められた結果、現場終盤になると、CADオペレーターの業務である、検査図面や取説や竣工図作成以外にも大量の施工図の修正も任されるようになりかねません。他の社員が先に退社する中で連日残業……という事態になりかねません。

それは「頼られている」のではなく「コストの安いバックアップ」として扱われているだけ。 自分の技術にプライドがあるなら、安売りしてはいけない。残業で示すのではなく「契約(単価)」で交渉する冷徹さを持ちましょう。

 

「施工図を学びたい自分」と「施工図を業務として任されたい」を混同しないでください。

 前者は学び。後者は契約と環境の問題。

もしあなたが「これだけ頑張っているのに評価されない」という感情に支配されそうなら、その現場で無理に施工図を書くことはお勧めしません。 その現場は、あくまで「給料をもらいながら勉強させてもらう場所」と割り切ってください


 環境を変える時の「ステップアップ」のために


今の現場で「補助」から抜け出せないのは、あなたの能力のせいではなく、システムのせいです。 だからこそ、日々のルーチンワークの中に自分だけの「裏の課題」を課してください。 

  • 建築の意匠・構造を読み解く。
  • 特記仕様書を読み解く。
  • 「品質・工期・利益・安全」に関わる質問を、適切なタイミングで投げかける。 

ここで蓄積した「読み解く力」と「判断の根拠」は、今の現場ではなく、次に環境を変える時の強力な武器(実績)になります。

 

感情を脇に置き、次なるステージで「技術者」として契約を勝ち取るために。 今は静かに、しかし着実に、施工図を覗き込んでいきましょう。 


 あなたはひとりじゃない

 

ヒントになりましたでしょうか?レブロネクストでは、設備女子のための「設備女子あるある会」 を開催しています。

 

今回のコラムのような
・補助から抜け出したい気持ち

・キャリアの悩み

・現場でのモヤモヤ

・非正規としての働き方の不安

 

こうした話を、安心して共有できる場です。

同じ立場の仲間と話すことで、あなたの次の一歩が見えてきます。

 

\設備業界で働く女性たちへ/ 「わかる〜!」が飛び交う、ちょっとホッとする時間を。

もしあなたが、「補助のまま終わりたくない」「もっとできるようになりたい」そんな気持ちを少しでも持っているなら、

その思いは大切にしてほしい。

 

レブロネクストでは、設備女子がキャリアや働き方を語り合う「設備女子あるある会」 を開催しています。

同じ悩みを抱える仲間と話すことで、自分の立ち位置や、これからの可能性が見えてきます。

 

参加してみたい方はこちら設備女子あるある会003_設備女子あるある会