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2014年、ある企業様から「電気の設計BIM」のご依頼をいただきました。
「電気ですか??」と正直戸惑いました。空調・衛生を得意としていた私にとって、電気はラックの施工図を描ける程度の経験しかなく、しかも当時のRebroは電気分野の開発が遅れていた時期。なぜこのタイミングで電気の設計BIM?と不思議に思ったのを覚えています。
打ち合わせから始まり、設計BIMの目的は「可視化」であることがわかりました。電気でBIMという未知の領域に一度はお断りしようかとも考えましたが、「建築x構造x空調x衛生x電気のフルBIM」と聞いて興味が湧き、Rebroの力を試してみたいという気持ちが勝りました。2009年から築いてきたRebroユーザーの仲間にも協力を仰ぎ、挑戦することにしました。
当時は、BIMに対して否定的な方も多く、担当者によってはBIMをご存じないケースもありました。
それでも、私は2009年からBIMの情報収集を続けていたため、2020年には「現場でタブレットを持つのが当たり前になる」と確信していたのを思い出します。
建築・構造・設備のフル設計BIMとして、意匠・鉄骨のIFCデータを受領できましたが、意匠と鉄骨でフロア設定が異なり、Rebroでの調整は非常に困難でした。
さらに、設計図にはあるべき場所に梁がなく、低層階の梁が上層階まで複写されていたため、設備のおさまり検討には使えないという問題も発生しました。
この経験から、BIMは「可視化」や「早期合意形成」だけでなく、LOD(詳細度)やオペレーターの技量によって設備に大きな影響を与えることを実感しました。
電気盤や照明器具は部材作成の量が多く、拾い出しには非常に有効でしたが、作業量は膨大で、かなりの労力を要しました。
また、当時はレイヤーの制限や外部参照機能が不十分で、すべてのデータを重ねてIFC出力する必要がありました。

| 2025年の今、振り返って |
この設計BIMを作成したことで、後の施工図作成もスムーズに進みました。
すでに納まりの課題を把握していたため、検討図の作成や打ち合わせも効率的に進行。設計から施工まで一貫して関わることで、BIMの真価を体感することができました。